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Adobeデジタルフォト・デザインセミナー2012 に行ってきた

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先日の金曜日に行ってきました。

ADOBE CREATIVE SUITE 6 が発表されてから、色んなセミナーが開催されていますね。
今回足を運んだのは、特に Photoshop に特化したセミナーでした。

Adobe Photoshop CS6 Windows版
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イベント帰りには、お土産にワコムのスタイラスペンを頂きました!嬉しい!

イベント名 Adobeデジタルフォト・デザインセミナー2012
日時 2012年7月6日(金) 13:00-18:00
会場 ラフォーレミュージアム六本木
主催 Adobe

個人的には WOW さんの映画宇宙兄弟のOP映像メイキング披露が一番見たかったところなのですが、他にも色々面白いところがあったので、メモを残しておきます。

当日アジェンダ

1. フォトセッション
NIKON D800 ニッコールレンズ ~ 36メガピクセルを活かす撮影術
最新レンズとフォトショップがD800の高解像度を活かす!
フォトグラファー 茂手木 秀行さん

2. ムービーセッション
写真と動画に強いワークステーション HP Z1 Workstation
フォトグラファー 平山ジロウさん

3. 3DCGセッション
WOW流ヴィジュアルの作り方 ~ 映画「宇宙兄弟」のオープニングムービーメイキング
WOW ヴィジュアルデザイナー 高野直樹さん

4. Adobeセッション
最新版 Adobe Photoshop CS6 の秘宝 〜 ティップス&テクニックの紹介 ~
アドビシステムズ(株)マーケティング本部 栃谷(とちや) 宗史さん

以下、個人的に面白かったところのメモです。
間違いなどありましたらお知らせください。

1. フォトセッション

NIKON D800 ニッコールレンズ ~ 36メガピクセルを活かす撮影術
最新レンズと Photoshop が D800 の高解像度を活かす!という内容を
フォトグラファーの 茂手木 秀行 さんがお話しされていました。
http://j.mp/Nd5Gke

ニコンの D800 をベタ褒めしつつ
Photoshop CS6 の便利機能などをいろいろと説明。

Nikon デジタル一眼レフカメラ D800
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レンズに望むこと

抜けの良さ
感じた色を再現できるか。

フレアやゴーストが少ない
見たいと思った気持ちを写す解像力。

素直で美しいボケ味
見たいと思った気持ちを写す描写力。

写真は引き算。
情報量のコントロールが写真では大事。
背景をぼかすことによって情報を減らして被写体を目立たせる。

Nikon ナノクリスタルコートを大絶賛

Nikon|技術・研究開発|交換レンズ ナノクリスタルコート
フレアやゴーストが激減するんだそうです。
ナノ粒子のおかげで、光が反射せずにレンズに滲み込むので、明るいレンズがより明るくなるとのこと。

色収差球面収差 とは、
レンズに入った光が3色に分解されてぼやけて見えてしまう現象のことですが
それが劇的に減るということでした。

最近どこのメーカーもレンズの反射防止膜、開発にチカラ入れてますねぇ。

CameraRaw新機能 色収差・球面収差を簡単に修正

色収差を自動で補正できる機能がついたそうです。
ピンクかぶりをレバーでちょちょっとやれば治るとな。

CameraRaw新機能 新カメラキャリブレーション

CS6 では画質を良くする基本構成がアップしている。
昔撮影した RAW 写真も、最新版 Photoshop で現像しなおすと、見違えるほどキレイになるとのこと。

CameraRaw新機能 モアレ修正も簡単

補正ブラシ > モアレ軽減 という項目が増えた。
モアレ軽減を減らすのに、今まで何時間も掛かっていた作業が、ブラシでなぞるだけで修正できるように。

その他 Camera Raw の新機能については、下記が詳しいです。
Photoshop CS6の新機能 | Photoshop CS6 パブリックベータ緊急レビュー 第2回 | Shuffle by COMMERCIAL PHOTO

CS6 スキントーンで肌色だけ抽出

色域指定で、肌色部分だけを抜き出してくれる機能が増えた。
なので、肌補正をバッジ処理できるようになった。
https://lh3.googleusercontent.com/-ns8CIuPYm34/T_lfscmcCNI/AAAAAAABFek/v7WGLtCImQc/s800/120708-0022.png

CS6 プリンタダイアログが改善

ダイアログ自体のウィンドウを大きくできるようになった。
プリント色のシミュレーションがプリントダイアログ内でできるようになった。
カラー処理の設定を変えると色が変わるのが、プレビューで確認できる。
地味な改善だけどこれは嬉しい!

2. ムービーセッション

写真と動画に強いワークステーション HP Z1 Workstation について
フォトグラファー 平山ジロウ さんのお話でした。
ttp://j.mp/Nd5JfQ

最近動画に手を出し始めたフォトグラファーである平山さんは、
Canon EOS 5D Mark2 の登場で、PVを作ったりするようになったそう。

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 5D MarkII ボディ
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まだスチルの仕事が多いが、動画仕事も増えつつあるという方。

その仕事の中で、スペックのいいマシンというのが必須だそうで、
HP Z1 Workstation についてのお話をされていました。

Z1 についてはこの辺りの記事が参考になります。
カッコいい!!:“Z”の名を受け継ぐモンスターマシン「HP Z1 Workstation」の実力(前編) (1/2) – ITmedia +D PC USER

ワークステーションとは

簡単にいうと、PCの凄い版。

以前は高性能であるが特殊なマシンで高額であった。
近年ではWindowsベースの者が主流となり一般的なPCと
同じ使い勝手のものになってきている。

一般的なPCと何が違うのか?

  • 高いCPU性能
  • 高いグラフィック性能
  • 高い拡張性(PCIスロット類が多いなど)
  • ヘビーユースにも対応できる動作の安定性
  • 24時間つけっぱなしでも壊れない。

これでもかのハードな負荷を想定したワークステーションでは、
もともとのパーツの設計までも全く別物。

HP Z1 Workstation の特徴

  • まるで黒いiMac !?
  • 首部分が自由に稼働
  • 27 inch
  • 整備がしやすく、拡張性が高い。
  • Made in Tokyo.

ついにオールインワンのワークステーションが登場!
価格帯も20万円代半ばで、価格帯もPCに近づいてきた。

近年、フォトグラファーの仕事が
撮影している時間より、PCに向かっている時間のほうが長くなってきているので
こういった安価なワークステーションの登場は大歓迎とのこと。

RAW現像で性能を比較

iMac と Z1 に同じ RAW データ 150 カットを、

  • Photoshop CS6 CameraRaw で同時現像
  • NikonD800 Rawデータ
  • 8bit 36.2Mpx 350dpi TiFF の圧縮なしで現像

という条件で、同時に現像させるという検証をされていました。

その結果は、

iMac
PhotoShop 起動まで 15sec / Raw現像完了まで 15min 10sec

Z1
PhotoShop 起動まで 3sec / Raw現像完了まで 9m 31sec

と桁違いの処理能力だったそうだ。
Z1 が動作終了時に iMac では 54 カット残っていたとのこと。

ティザー撮影で比較

ティザー撮影とは、PC とカメラを直接撮影して、
撮影後すぐに画像を PC に取り込む撮影方法のこと。

以下の撮影スペックで、ティザー撮影を実施。

  • NikonD800
  • 3630万画素
  • USB3.0

Z1 では今まででは考えられない驚きの速さで画像が取り込まれ、
ストレスのない連射で動きのある作品が撮れた。
あまりのスムーズさに、現場スタッフから歓声があがるほどの凄さ。

iMac だと、数カット押したところで busy 状態となり
シャッターが押せなくなってしまう。
USB2.0 なので比較するのもかわいそうですが。

busy が入ると、モデルがシャッターのタイミングを計れず上手くポーズが取れないので、
フォトグラファーにとっても、モデルにとっても良くない。

フォトグラファーによる動画撮影も当たり前の時代に

映画のような絵が簡単に撮れる時代になったが、
そのハンドリングをどうしたらよいかの悩みもだいぶ落ち着いてきて
どうやっていい作品を作るかというところに、ようやく打ち込めるようになってきた。

2-3分の動画でも、カラーグレーディング後のレンダリングで1時間以上かかるということも多い。
直感的に動画をつくるときは Premire、こだわりの色がある部分の編集は Photoshop という使いわけをしている。

PV作品の例 – 鈴木羊 / 愚か者の涙

平山さんが手がけた音楽PV。

  • 監督・撮影・編集 1名(平山ジロウさん)
  • クレーンオペレーター 1名
  • アシスタント 2名

の計4人で制作。
フォトグラファーはライティング技術があるので自分たちでやれる。
最低限のクルーでこれだけ作れるというのが、一眼での映像制作の醍醐味。

EOS 5D Mark3 / 24mm レンズ を利用。

Canon EFレンズ EF24mm F1.4L II USM 単焦点レンズ 広角
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パンフォーカス気味で撮影。
カメラ向き、フォーカスをリモートコントロール。
Z1 を撮影現場に持ち込んでその場で合成確認しながら、撮影に望んだ。

モーションコントロール撮影
0:41-0:48 あたりのコマ。
パン等の動きを記録しカメラの動きを再現できるという撮影方法。

アーティストをパンの右側と左側で撮影して、合成。
同じ人が同じ壁に並んで歌っているという、ちょっと奇妙な映像が簡単にできる。
リップシンクロでつなげて、Premire で並べただけ。

参考: モーション・コントロール・カメラ – Wikipedia

クレーンを使用した撮影
1:07-1:15 あたりのコマ。
軽自動車に分解して運べるくらいのクレーンをスタッフが自作して作った。
広角レンズを使うことで、ボーカルの人の横をカメラがすり抜けて行くシーンなど、
端が歪むことでビデオカメラでは表現できない迫力がだせる。

TS-Eレンズを利用した撮影
2:00-2:08 あたりのコマ。
1点にフォーカスを合わせて周囲が全部ボケるという表現ができる。
ビデオカメラではなかった表現なので、効果的なムービーがとれる。

曲以外のシーンでイメージづくり
映像冒頭0:00-0:18 あたりのコマ。
曲が始まる前にも、イメージを絵で見せた。
そういったイメージづくりがPVでは大切。

小節からちょっと外してクリップを切り替える
少し印象づけるシーンの撮影で利用するテクニック。

3. 3DCGセッション

WOW流ヴィジュアルの作り方 ~映画「宇宙兄弟」のオープニングムービーメイキング について
WOW ヴィジュアルデザイナー 高野直樹 さんのお話でした。
http://j.mp/Nd5LEw

WOW の最近の仕事割合

  • CM・広告 3割
  • インタラクティブ展示 3割
  • UI開発 3割
  • 海外案件 1割

拠点3箇所 (東京・仙台・ロンドン) で 40人弱 で活動中。

最近やった TV CM 例

  • SHARP AQUOS PHONE
  • SONY BRAVIA
  • JT Roots 缶コーヒー
  • メガヒット劇場
  • 土曜エンタ

最近は、代理店経由ではなく
クライアントから直にディレクション含めて頼まれる案件が増えている。

その他、インタラクティブ系なお仕事事例は本にまとまってる。

WOW Visual Design(ワウ ビジュアル デザイン)
WOW
WOW
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本は、個人的に持ってますが圧巻です。

 

Bang & Olufsen Concept Movie

B&O の新しいテレビのプロモーションビデオを作った。
1年前くらいの仕事。
期間としては10日もない短納期で、CG作業がっつり2日くらいでやった。

まずは AfterEffects で全体の流れがラフで分かるものを作って、
何カット作らないといけないか、というのをたたき出す。
そこから逆算して、どこにどういう作業をするかを考えていく。

3dsmax で、具体的なCGを創り上げていく。
たくさん箱を作って、それを細かく動かしていくようなイメージ。
レンダリングして、AfterEffects に持って行く。

元の絵は地味な感じの絵だが、レイヤーをどんどん重ねていって(12-3レイヤーくらい)
プレビューを見ながら作業していく。

最初は、3D で素材を作って、最後 AfterEffects で仕上げていくというのが作業の定番。
細かいディティールにこだわるのはほんと最後。
最初は全体を平均的にどんどん仕上げていく。

高野さんの仕事としては
実写合成系とか広告系が多い。

 

TC CM – SUBARU IMPREZA G4 2012

CGにも2種類ある

  • 見ただけでCGと分かるCG
  • よく見ないと分からないCG

このCMでは、ヘリコプターだとかは見ただけでCGと分かると思うが
他細かいところでも色々なCGで工夫されている。

スバルから CAD データをもらって
それをもとに CG ソフトに読み込んで
実写した映像に CAD データを貼りつけていく。
けっこう地味な作業。

実際の車の撮影のときにはヘリコプターは飛んでないので、
ヘリコプターの光が車に反射しているようなCGを付け加えていく。
AfterEffects だったり、Photoshop だったり、3ds だったり、一番早くできそうなやつでやる。

カメラの位置をトラッキングして合わせてくれる機能で
カメラの位置・映像の構図を確認しながら付け加えて行きます。

編集中は、円盤状の簡易オブジェクトを 3D オブジェクトの代わりに配置して
できるかぎり軽く作業できるように工夫する。
2D で後処理できるところは、2D でできたほうがいい。

どういう形、色、映り込みになるかを
クライアントに確認するためのラフな 3D モデルをつくる。
サンプルの静止画に、こういう形で配置していくよというカンプ絵をつくる。

被写界深度は後処理でつける。
CG で被写界深度をつけることもできるけど、
レンダリングに時間かかるので、修正とか考えるとコストに合わないので、後からやる。

地面を濡らしたい、っていう要望があったときは、
映り込みのレイヤーを CG で作って、それを AfterEffects で合成した。
2D で反転させたレイヤーだと映り込み具合が嘘になるので、
やはりちゃんと物理世界の様子をシミュレーションしたものでやらなきゃダメだなぁと思います。

カラコレは、専門の人に、一番最後にやってもらいます。
色を最初からいじると、色が潰れてしまうので、色は最後の最後です。

 

宇宙兄弟の映画OP

宇宙兄弟 OFFICIAL GUIDE BOOK  (TOKYO NEWS MOOK)
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実際の映像は、映画・宇宙兄弟公式ページ
TRAILER > プロモーション映像 で少しだけ見られます。

宇宙史を見せたいというクライアントから希望があって、
どうやって見せるか、何を見せるかは、WOWが企画から絡んだ。

利用する写真の版権をクリアにするのがとても大変だった。

猿の所有者の孫に許可とったり、
ガガーリンの隣の人、誰か分からないから構図少しずらして対応しちゃえ、とか。
映像作る以外のところで苦労が多かったです。

映像自体は、音と合わせながらどう動かすかを考えていく楽しい仕事でした。
動きの気持よさで差別化したいと思って、色々試行錯誤しました。

3人で制作。
ひと月くらいです。

百科事典から許可をもらって、テキストを貼りつけたり。

ロケットは 3D モデルから起こしました。
一部モデル集とか利用しているものがあります。

見えないところは、作りこんでいない。
全体でみて、作り込みが必要だなと思ったら作りこんでいく。

見えないところはやらない。

無駄なことはしない。

そうしないと、

時間かけるべきところに時間がかけられなくなって、全体のクオリティが下がってしまう。

煙とかやわらかいものを表現するのが 3D では難しいんですが、
自然な煙のシミュレーションをするのに丸1日かけた。

3D で書きだすときに、ひとつの 3D モデルに対して
影あり、ハイライトだけ、とか別々に書きだすようにしておいて
AfterEffects 上で自由に重ね合わせられるようにしておくと効率的です。

CG って技術よりも
自分がどうしたいこうしたい、っていう気持ちが大切なので
難しいとかは思わずに、自分がやりたいことをやってればいい作品になってくると思っています。

まとめ・感想

最後の Adobe セッションは、Photoshop CS6 の新機能についての説明だったので割愛。

個人的に面白かったのは

  • レンズの反射防止膜業界が熱い!
  • 当たり前だけどフォトグラファーとデザイナーじゃ Photoshop の使い方が根本的に違う。
  • モーションコントロール撮影が面白そう。やってみたい。
  • 撮影用クレーンは自作できる!
  • 写真の版権クリアはどこも大変。WOW さんでも大変。
  • 見えないところはやらない、無駄なことはしない。でないと全体のクオリティが下がる。
  • AfterEffects でも Photoshop でも、結局レイヤー重ねたり地道な作業の積み重ねがクオリティ高い作品に繋がる。
  • 宇宙兄弟の映画、内容は微妙だったけど OP 映像が凄かったのは WOW さんだったからか!!!!!

ってあたりでしょうか。

2012.8.2 追記

玄光社のサイトで、公式なイベントレポートがアップされていました。
当日写真やスライドの一部が画像で載っていてとても分かりやすいです。

デジタルフォト&デザインセミナー2012 | Shuffle by COMMERCIAL PHOTO


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